アニッシュ・カプーアの個展が六本木のSCAI PIRAMIDEで開催へ。近年の成果を紹介

イギリスを代表する現代アーティストとして国際的に活動しているアニッシュ・カプーア。その近年の芸術的実践の成果を紹介する展覧会「Anish Kapoor: Selected works 2015-2022」が東京・六本木のSCAI PIRAMIDEで予定されている。会期は5月7日〜7月9日。

アニッシュ・カプーア Oriental Blue 2021 Courtesy of SCAITHE BATHHOUSE

 インド・ムンバイ生まれで、現在はロンドンを拠点に国際的に活動している現代アーティスト、アニッシュ・カプーア。その新作・近作を紹介する展覧会「Anish Kapoor: Selected works 2015-2022」が、5月7日より東京・六本木のSCAI PIRAMIDEで開催される。

 アメリカ・シカゴに設置されるパブリック・アート《クラウド・ゲート》(2006)などで知られているカプーア。近年は、2012年のロンドン・オリンピックで記念モニュメントを設計し、パリのヴェルサイユ宮殿や北京の紫禁城で個展を開催するなど、世界的に注目を集めている。また、18年には別府で個展「アニッシュ・カプーアin BEPPU」を開催し、今年はヴェネチアのアカデミア美術館とパラッツォ・マンフリンの2会場で大規模回顧展も予定している。

アニッシュ・カプーア Portrait by Gautier Deblonde

 本展は、ヴェネチアでの個展をあわせて、その新作を含む構成を通してカプーア作品の魅力とその芸術的実践の成果を紹介するもの。ギャラリーの入口では、鮮やかなブルーが印象的な円形の彫刻作品《Oriental Blue》(2021)が展示予定。鏡面に映る自分の姿が反転したり、予想もつかない風景が映り込んだりするなど、見る者を独特の世界観へと惹きこむ。

 別室は、カプーアがかねてより言及する「Void(虚空)」空間の構成を示唆する展示室となる。天井に黒い穴が空いているようにも、あるいは闇が無限に滲出し続けているようにも見える作品は、空間自体に介入して「Void」をもたらし、物質と非物質、存在と非存在など矛盾した概念の三次元空間における両立を探求する。

 そのほか、妊婦の腹のように膨らんで見える彫刻《Untitled》(2022)や、展示室の壁面の境目に向かい合わせとなるかたちで設置される作品《Eclipse》(2018)なども展示予定となっている。

アニッシュ・カプーア Eclipse 2018 Courtesy of SCAITHE BATHHOUSE

 本展についてSCAI PIRAMIDEはリリースで、「作家のあくなき追求は、素材の開発と応用を経て、誰もたどり着いたことのない次元へと加速し続けているようです。色、光、知覚、空間といった要素を探求し続けるアニッシュ・カプーアの現在地を見渡し、近年の成果を周知する展覧会」だとしている。

 独自の世界観を展開し、世界的に活躍を続けるカプーア。その思考や近年の実践を知る機会をお見逃しなく。

編集部

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