19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家のひとりで、黒一色の革新的な木版画で名声を得たフェリックス・ヴァロットン。そんなヴァロットンの版画作品が堪能できるのが、10月29日から三菱一号館美術館で開催される「ヴァロットン―黒と白」だ。
独特の視点と多様な表現、そして卓越したデザインセンスをもつヴァロットン。その作品は、まるで解けない謎のように今日でも鑑賞者を魅了し続けている。
そのなかで真骨頂ともいえるのが木版画。本展では、世界有数のヴァロットン版画コレクションを誇る三菱一号館美術館が約180点からなるコレクションを一挙初公開。なかでは、希少性の高い連作《アンティミテ》《楽器》《万国博覧会》《これが戦争だ!》も集結する。
黒と白のみでつくりだされる世界に焦点をあて、未だとらえきることができないヴァロットンの魅力を体感する貴重な機会だ。