昨年11月、41歳という若い年で死去したファッション・デザイナーのヴァージル・アブロー。その没後初となる回顧展が、7月1日よりアメリカ・ニューヨークのブルックリン美術館で開催される。
「Virgil Abloh: “Figures of Speech”」と題されたこの展覧会は、2019年にシカゴ現代美術館で開催され、その後、ICAボストン、アトランタのハイミュージアム、カタール美術館などへと巡回した同名の展覧会をもとにするもの。アブローの20年近いキャリアのなかから、ファッション、大型彫刻、没入型スペース、ビデオ、スケッチなどが展示予定となっている。
ファッションブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™」を創業し、2018年には「ルイ・ヴィトン」メンズのアーティスティック・ディレクターに黒人として初めて就任したことで知られているアブロー。ファッションだけでなくアートの分野にも取り組んでおり、日本では18年に初個展「PAY PER VIEW」をカイカイキキギャラリーで開催した。
19年のシカゴ現代美術館での個展では、「初期作品」「ファッション」「音楽」「間奏曲」「Black Gaze」「デザイン」「The End」という7つの切り口から、彼のそれまでの制作活動が紹介。展覧会の記者会見では、アブローは次のような言葉を残した。
「この展示を見た若者たちには、これまでとは違う文脈で外の世界を見てほしい。さらに僕がこれまでに発見したことを土台に、自分で自分の道を切り開いていってほしい」。