2021.12.27

森美術館が2022年度の展覧会スケジュールを発表。Chim↑Pom展やヘザウィック・スタジオ展などをラインナップ

六本木ヒルズにある森美術館が、2022年度の展覧会スケジュールを発表した。Chim↑Pom展やヘザウィック・スタジオ展など、4つの展覧会をラインナップしている。

Chim↑Pom ビルバーガー 2018 ミクストメディア(にんげんレストランのビルから切り出された3階分のフロアの床、各階の残留物) 400×360×280 cm(左)、186×170×155 cm(右) 素材提供=にんげんレストラン、Smappa! Group、古藤寛也 個人蔵(左) Courtesy: ANOMALY (東京) 展示風景=「グランドオープン」ANOMALY(東京)2018年 撮影= 森田兼次
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 東京・六本木の森美術館が、2022年度の展覧会スケジュールを発表した。

 22年の第1弾を飾るのは、「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」(2月18日〜5月29日)。05年に結成し、来年で17周年を迎えるアーティスト・コレクティブ「Chim↑Pom」の初期から近年までの代表作のほか、本展のための新作を一堂に紹介する初の本格的回顧展だ。都市と公共性、広島、東日本大震災などのテーマに則して展示が構成され、その活動の全貌を検証するものとなる。企画は近藤健一(森美術館シニア・キュレーター)。

Chim↑Pom ブラック・オブ・デス 2008 ラムダプリント、ビデオ 写真:81×117.5 cm、ビデオ:9分13秒 Courtesy: ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)

 6月からは、グループ展「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」(6月29日〜11月6日)を開催する。本展は、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、「ウェルビーイング」とは何か、という問いを、現代アートの多様な視点を通して考えるもの。美術館ならではのリアル空間での体験を重視し、五感を研ぎ澄ませて作品と向き合う展示になるという。参加作家はエレン・アルトフェスト、青野文昭、飯山由貴、小泉明郎、ヴォルフガング・ライプ、オノ・ヨーコ、ツァイ・チャウエイなど16組。企画は片岡真実(森美術館館長)、熊倉晴子(森美術館アシスタント・キュレーター)、德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)。

ギド・ファン・デア・ウェルヴェ 第9番 世界と一緒に回らなかった日 2007 ハイビジョン・ビデオ・インスタレーション 8分40秒 Courtesy: Monitor, Rome; Grimm, Amsterdam; Luhring Augustine, New York 撮影=ベン・ゲラーツ
ヴォルフガング・ライプ 松の花粉 1998 花粉(松) 220×240cm Courtesy:ケンジタキギャラリー(名古屋、東京) 展示風景=ケンジタキギャラリー(名古屋)1998年 撮影=成田弘

 12月からは、森美術館が3年に一度開催している「六本木クロッシング 2022展(仮題)」(12月1日〜2023年3月26日)。日本のアートシーンを総覧する定点観測的な展覧会である本展では、森美術館のキュレーターだけでなく、天野太郎(インディペンデント・キュレーター)やレーナ・フリッチュ(オックスフォード大学アシュモレアン美術博物館、近代美術キュレーター)、橋本梓(国立国際美術館主任研究員)との共同企画となり、日本のアーティスト20〜40名を選出する。

展示風景「六本木クロッシング2019展:つないでみる」森美術館(東京) 撮影=木奥惠三

 22年度の締めくくりとなるのは、東京シティビューで開催される「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」(2023年3月20日〜6月4日)だ。1994年にロンドンで設立され、世界各地でプロジェクトを手がけるデザイン集団「ヘザウィック・スタジオ」。本展では、その主要プロジェクトを「ひとつになる」「みんなとつながる」「彫刻的空間を体感する」「都市空間で自然を感じる」「記憶を未来へつなげる」「遊ぶ、使う」の6つの視点で構成し、共感をもたらす建築とは何かを探る。企画は片岡真実(森美術館館長)。

ヘザウィック・スタジオ 上海万博イギリス館 2010 撮影=イワン・バーン
ヘザウィック・スタジオ 虎ノ門・麻布台プロジェクト/低層部 2023(竣工予定) 東京