2021.9.24

グッチの広告から絵本作家ピーター・シスまで、今週末に見たい展覧会ベスト3

今週開幕、もしくは9月26日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「Gucci Garden Archetypes」より、「Gucci Beauty Network」の展示風景
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広告キャンペーンでたどるグッチの哲学。「Gucci Garden Archetypes」

「Rebellious Romantics - 2016年春夏コレクション」展示風景より

 2015年からグッチのクリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレが手がけた広告キャンペーンから、グッチの哲学をたどる没入型エキシビション「Gucci Garden Archetypes(グッチ ガーデン アーキタイプ)」が、9月23日に東京・天王洲で開幕した。

 本展は、広告キャンペーンに登場した様々な要素を再現・再構成し、アレッサンドロのインスピレーションの源を探ろうとするもの。パチンコ店や夜の繁華街などが光を放つ東京を舞台とした2016年秋冬コレクションの世界観を表現する「Tokyo Lights」、フランスの五月革命から50年目となった18年プレフォール コレクションをイメージした「Dans Les Rues」、1960~70年代のSF映画にインスピレーションを得た17年秋冬コレクションを表現した「Gucci And Beyond」などのインスタレーションが並ぶ。

 様々な場所や時代にインスピレーションを受け、クリエイティブな表現を追求してきたミケーレ。そのアーキタイプ(元型)に触れる機会をお見逃しなく。

会期:2021年9月23日~10月31日
会場:B&C HALL・E HALL
住所:東京都品川区東品川2-1-3
開館時間:11:00~20:00(金、土、祝前日は~21:00) ※最終入場は閉館の30分前まで
料金:無料
※事前予約制(9月13日より、グッチ公式LINEアカウントより事前予約をスタート)

絵本に託した思いを見る。「ピーター・シスの闇と夢」(練馬区立美術館

展示風景より

 練馬区立美術館では、絵本作家ピーター・シスの日本初となる展覧会「ピーター・シスの闇と夢」が9月23日にスタート。

 シスは、ソ連支配下の共産主義国家チェコスロヴァキア(現・チェコ共和国)に生まれ、後にアメリカに亡命し国際的な評価を得た。本展では絵本原画のほか、アニメーション作品、オブジェ、日記など約150点の作品や資料を紹介。「絵本作家」としての側面だけではなく、その人生における夢や孤独を各時代の代表作を通してたどる。

 表現の自由が奪われた社会を体験したからこそ、その絵本に深い思いや愛情が込めたシス。旅や冒険をテーマにした作品や、様々な苦難を乗り越えて偉業を成し遂げたコロンブスやダーウィンを描いた作品を通して、あらためて芸術と自由について考えてみたい。

会期:2021年9月23日~11月14日
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-16
開館時間:10:00~18:00  ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:月 
料金:一般 1000円 /  高校・大学生・65~74歳 800円 / 中学生以下および75歳以上無料

ネコに学ぶ建築? 「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(東京国立近代美術館

展示風景より、序論の「国立競技場」

 10月1日にオープンする早稲田大学「村上春樹ライブラリーの」建築設計も担当するなど、国内外で数多くのプロジェクトを手がける建築家・隈研吾。その大規模個展「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」が、東京国立近代美術館で9月26日に閉幕する。

 本展はふたつの会場から構成される。第1会場(有料)では、世界各地の隈作品のなかから公共性の高い68件を紹介。隈が考える建築の5原則「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」で分類された模型や写真、モックアップが並ぶ。

 また第2会場(無料)では、「ネコ」の視点から都市での生活を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020(ニャンニャン)ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則》を公開。街や建築のあり方が変化しつつあるコロナ以降の世界において、人間がネコから学ぶべきものとは何なのかにも注目してほしい。

会期:2021年6月18日~9月26日
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~17:00(金土~21:00) ※入館は閉館30分前まで
料金:⼀般 1300円 / 大学生 800円 / 高校生以下・18歳未満無料