EXHIBITIONS

ピーター・シスの闇と夢

2021.09.23 - 11.14

『三つの金の鍵 魔法のプラハ』原画 作家蔵(エリック・カール絵本美術館寄託) 1994 © Peter Sis, 1994

『飛行士と星の王子さま サン=テグジュペリの生涯』原画 作家蔵(エリック・カール絵本美術館寄託) 2014 © Peter Sis, 2014

『三つの金の鍵 魔法のプラハ』原画 作家蔵(エリック・カール絵本美術館寄託) 1994 © Peter Sis, 1994

『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』原画 作家蔵(エリック・カール絵本美術館寄託) 2007 © Peter Sis, 2007

『星の使者 ガリレオ・ガリレイ』原画 作家蔵(エリック・カール絵本美術館寄託) 1996 © Peter Sis, 1996

 練馬区立美術館が展覧会「ピーター・シスの闇と夢」を開催。2012年に国際アンデルセン賞の画家賞を受賞した絵本作家、ピーター・シスを紹介する。

 1949年、旧チェコスロバキアのブルノに生まれたシスは、プラハ美術工芸大学とロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、短編アニメーションの制作でその才能を広く認められる作家。82年には政府よりロサンゼルス・オリンピック(1984)の映像制作のため派遣されたが、祖国を含めた東側諸国がオリンピックのボイコットを表明したことにより、アメリカへ亡命をした。

 アメリカへ移住した後はニューヨークに拠点を定め、新聞、雑誌、絵本などのジャンルを中心に活躍。ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ年間ベストテンや、パブリッシャーズ・ウィークリーのベストセラーリストの常連となったシスは、絵本『星の使者ガリレオ・ガリレイ』(1996年)においてアメリカの優れた絵本に与えられるコルデコット賞の推薦を受け、次点に選ばれた。

 2007年には自伝に基づく絵本『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』を発表し、チェコ出身の絵本作家として世界的な評価を確立。そして14年には『星の王子さま』にも挿絵を手がけ、サン=テグジュペリの名作に新たな解釈を提示した。

 本展では、アニメーション作品からオブジェ、絵本原画、スケッチなど様々な作品や資料など約150点を展示。シスの幅広い創作活動と、その作品の土壌となったチェコの文化の魅力を紹する。