世界最大規模の日本美術コレクションを誇るアメリカのボストン美術館。同館の所蔵品から武者絵と刀剣を紹介する展覧会、ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」が2022年に森アーツセンターギャラリーほかにて開催されることとなった。会期は2022年1月21日~3月25日(森アーツセンターギャラリー)、2022年7月2日~8月28日(静岡市美術館)、2022年9月10日~11月20日(兵庫県立美術館)。
ボストン美術館は、ボストン市民をはじめとする有志によって設立された美術館で1876年のアメリカ独立100周年記念日に開館。アジア、ヨーロッパ、アメリカの美術をはじめ、古代から現代まで様々な作品を収集している。
本展のメインとなる武者絵とは、『平家物語』のような軍記物語や、武勇伝説に登場する英雄を描いた絵のこと。菱川師宣の時代から歌川国芳にいたるまで、多くの浮世絵師が武者絵を手掛け、歴史を彩ったヒーローたちが活躍する浮世絵が、人々の心をとらえた。
本展では、世界有数の浮世絵コレクションで知られるボストン美術館の所蔵品から、菱川師宣、北尾政美、歌川国貞、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年など、有名絵師の武者絵を物語の時代に沿って紹介。118点すべてが日本初出品となる。
いっぽう、浮世絵版画のコレクションで広く名前が知られたビゲロー・コレクションや、近年新たに加わった刀剣の世界的コレクターとして知られるウォルター・コンプトンの寄贈品などから、日本最古の名工といわれる安綱の銘が残る太刀や、中世日本に多くの名匠を輩出した長船派の名刀などをも展覧。
日本最古の名工といわれる安綱の銘が残る太刀や、中世日本に多くの名匠を輩出した長船派の名刀などが里帰りする。平安時代の名刀や中世に活躍した刀工の名品などを有するボストン美術館の刀剣が日本でまとまって紹介されるのは約半世紀ぶりとなる。
なおボストン美術館をめぐっては、昨年、東京都美術館を皮切りに巡回開催されるはずだった「ボストン美術館展 芸術×力」が新型コロナウイルスの影響で中止となっている。