オランダ・ズンデルトにある美術館「フィンセント・ファン・ゴッホ・ハウス・ズンデルト」が、8月14日〜12月5日の会期でビジュアル・アーティスト、ルード・ファン・エンペルの新作展「Inventing Van Gogh」を開催する。
本展では、エンペルがゴッホの顔を“再現”したポートレート写真9点に加え、花やランドスケープ、人物などを写真の断片を用いて再構成した作品を展示する。
ゴッホは様々な自画像を描いたが、その19歳以降のポートレート写真は1枚も残されていない。エンペルは、ゴッホによく似た人々の写真をもとに、様々な顔の要素をゴッホの自画像に取り替えることで、ゴッホのポートレート写真の再構築を試みた。また、「ディープ・フェイク」技術によるものとは異なり、エンペルは独自に開発したコラージュ技術を通じ、作品に個人的なスタイルや解釈も込めたという。
ゴッホの風景画や花の静物画にインスピレーションを得た写真シリーズは、「花瓶のヒマワリ」「蝶とポピー」「草原」「花咲く桃の木」「野バラとカブトムシ」「古いイチイの木の幹」など、ゴッホとの強い親和性を示すモチーフを使用したもので、ゴッホとエンペルがともに育ったブラバント地方を想起させるものでもある。
本展にあわせて、エンペルの全作品の画像と、その作品のインスピレーションの元となるゴッホの作品が掲載されるカタログも刊行。また会期中には、エンペルによるゴッホのポートレートとランドスケープ写真の特別版が販売され、それぞれ25部の限定エディションとなる。