日本を代表する建築家のひとり、安藤忠雄。その大規模な個展が、中国の2都市で同時に開催される。
上海の復星芸術センター(Fosun Foundation)では、安藤の建築家としての半生を回顧する展覧会「安藤忠雄:挑戦」が3月19日〜6月6日に行われる。2017年に国立新美術館で開催された回顧展の巡回展示となる本展では、建築模型やスケッチ、ドローイング、映像、写真、旅行記などを展示。また、安藤忠雄建築設計事務所が会場の特徴に合わせて再設計した展示空間では、その代表作である「水の教会」も再現する。
いっぽう、広東省仏山市にある、安藤が建築を設計した和美術館(He Art Museum)では、安藤のアートに焦点を当てた「BEYOND:ANDO TADAO and ART」が3月30日〜8月1日の会期で開催される。
本展は、「芸術を超えて」「光を超えて」「安藤を超えて」の3章構成。パブロ・ピカソやエルズワース・ケリー、アレクサンダー・カルダーなど安藤の作品に多大な影響を与えた巨匠たちの作品や、その代表的な仕事のひとつ地中美術館の模型を展示することで、新たな視点から安藤のアートに対する考え方や創造性を探る。
復星芸術センターのチェアウーマンである王津元(ワン・ジンユアン)は、「復星芸術センターが安藤忠雄の中国初の大規模な回顧展『挑戦』を開催できることを大変光栄に思います。世界が大きな課題に直面している今日、この展覧会のタイトルは非常に意味のあるものです。新型コロナウイルスの流行が全世界に未曾有の試練をもたらしているなか、本展が中国の皆様にもっと元気と希望を与えてくれることを願っています」とコメントしている。
和美術館のエグゼクティブ・ディレクターである邵舒(サオ・シュ)はこう述べている。「安藤忠雄がデザインした当館で、来場者は安藤が時間と空間を超えて制作した作品を楽しむことができます。今回の展示では、安藤の力強い物語と偉大な建築家・芸術家としての哲学を届けます」。