2020.12.30

ターナーとの対決が勃発した展示の再現も。風景画家ジョン・コンスタブルの大回顧展が35年ぶりに日本で開催へ

ターナーとともにイギリスの風景画を刷新した画家として知られるジョン・コンスタブル(1776〜1837)。今回、その回顧展「テート美術館所蔵 コンスタブル展」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催される。会期は2021年2月20日~5月30日。

ジョン・コンスタブル フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景) 1816-17 テート美術館蔵 (C)Tate
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 19世紀のイギリスを代表する画家、ジョン・コンスタブル(1776〜1837)の日本では35年ぶりとなる回顧展「テート美術館所蔵 コンスタブル展」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催される。会期は2021年2月20日~5月30日。

 コンスタブルは、1歳年長の画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーとともに自国の風景画を刷新した人物として知られる。絶えず各地を旅しながら国内外の景観を膨大な数の素描に収めたターナーとは対照的に、コンスタブルは、故郷サフォーク州の田園風景をはじめ、家族や友人と過ごしたソールズベリー、ハムステッド、ブライトンなど、ひたすら自身の生活や家庭環境と密接に結びつく場所を描いた。その生気あふれる作品の数々からは、生前コンスタブルが何を慈しみ、大切に育んでいたのかが見て取れる。

ジョン・コンスタブル ブリッジズ一家 1804 テート美術館蔵 © Tate
ジョン・コンスタブル チェーン桟橋、ブライトン 1826-27 テート美術館蔵 © Tate

 本展では、世界有数の良質なコンスタブルの作品群を収蔵するテート美術館から、ロイヤル・アカデミー展で発表された大型の風景画や再評価の進む肖像画などの油彩画、水彩画、素描およそ40点に加えて、同時代の画家の作品約20点を紹介。

 その展示構成には、ライバルであるターナーとの対決が勃発した展示の再現も含まれるという。国内で所蔵される秀作を含む全85点を通じて、コンスタブルの瑞々しい風景画の世界を堪能できる機会だ。

ジョン・コンスタブル ハムステッド・ヒース、「塩入れ」と呼ばれる家のある風景 1819-20頃 テート美術館蔵 © Tate
ジョン・コンスタブル 虹が立つハムステッド・ヒース 1836 テート美術館蔵 © Tate
ジョン・コンスタブル ブライトン近郊の風車 1824 テート美術館蔵 © Tate