2020.8.11

Haroshiの新作個展「HAROSHI FREE HYDRANT CO」、NANZUKA 2Gで開催

東京都在住の日本人アーティスト・Haroshiによる新作個展「HAROSHI FREE HYDRANT CO」が、渋谷パルコ内のNANZUKA 2Gにて開催される。本展は、Haroshiが設計デザインをしたブロンズ製の消火栓を用いたインスタレーション。会期は8月21日〜9月13日。

Haroshi FREE HYDRANT CO 2020 (C)Haroshi Photo by Shigeru Tanaka Courtesy of NANZUKA

 2003 年より独学で習得した技法を駆使して、スケートボードデッキの廃材を使った彫刻作品、インスタレーションを制作し、世界的に人気を集めるアーティスト・Haroshi。その新作個展「HAROSHI FREE HYDRANT CO」が、渋谷パルコ2階にあるNANZUKA 2Gにて開催される。会期は8月21日〜9月13日。

 Haroshiは1978年東京生まれ。キース・ハフナゲルが率いるストリートブランドHUFとのコラボレーションや、プロスケーターによるトーナメント選「BATB」のトロフィーなどを手がけ、現代のストリートカルチャーと密接に関わり表現するアーティストとして、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンなどで展覧会を行うなど、高い支持を集めている。昨年、ニューヨークとロサンゼルスを巡回した 「Tokyo Pop Underground」(ジェフリー・ダイチ)では、展覧会を象徴する5メートル四方の大作のインスタレーションを発表し、大きな話題を呼んだ。

 本展は、Haroshiが設計デザインをしたブロンズ製の消火栓を用いたインスタレーションを展示。独立型の消化栓は、とくにアメリカのスケーターたちのあいだでは象徴的なアイコンとして親しまれているもので、「オーリー」という技を駆使して80cm前後の高さの消火栓を飛び越える事は、スケーターのあいだではひとつの目標と考えられており、YouTubeやInstagramなどでは、そうしたスケーターたちの挑戦を撮影した無数の動画が投稿されている。

 自身も熱心なスケーターであったHaroshiも、20年ほど前に初めてアメリカに渡航した際に夢中になって消火栓を飛び、その様子を見た現地の警察官が車中から応援してくれたと語っている。

 今回発表するブロンズ製の消火栓は、Haroshiのそうした思い出や、常日頃身の回りのモノに対して抱いている愛情を体現した作品。本展開催に際し、Haroshiは以下のようなコメントを発表している。

 「世界中いろいろな町に行った。どこの町にも大抵消火栓があって、古くて錆びていても、落書きされていても、ピカピカの新品でも、みんな違っていてみんなそれぞれ素敵だった。ある時ふと、彼らは街角で、僕らのことをいつも見守ってくれているのだなと思うと同時に、どこにも行くことができないのだな、と思った。チェーンで両手を縛られて拘束されているようにも見えた時、ちょっとかわいそうだなとさえ思った。いつかもし、僕が消火栓を作ることがあるのなら、世界中どこにでも行くことができる自由な消火栓をつくろうと思った」。