被爆75周年の節目に。アートギャラリーミヤウチで小沢剛、伊藤隆介、殿敷侃ら13名の作品を展示

広島・廿日市市のアートギャラリーミヤウチで、 被爆75周年記念の収蔵作品展「リアリティを移す」が開催されている。会期は11月3日まで。

小沢剛 無題ー《あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き》で、福島市の展示で参加してくれた福島市在住の子ども達の絵の模写 2015

 今年は、広島・長崎への原爆投下から75年を迎える節目の年。これを記念して、広島・廿日市市のアートギャラリーミヤウチで収蔵作品展「リアリティを移す」が開催されている。会期は11月3日まで。

 出展作家は伊藤隆介、小沢剛、沖中志帆、七搦綾乃、福井芳郎、殿敷侃、入野忠芳、灰谷正夫、久保俊寛、たべ・けんぞう、貫志朗、松尾裕人、舟越桂。実際に見たことや誰かのリアリティをそのまま映すのではなく、様々な手法で別のイメージや次元へと「移す」ことで、私たちが認識してきた現実を揺さぶる作品群を展覧する。

伊藤隆介 そんなことは無かった 2012

 伊藤隆介《そんなことは無かった》(2012)は、東日本大震災で水蒸気爆発した福島第一原発の原子炉を、精密なジオラマによって再現した作品。散乱するガレキを抜けて原子炉の内部に侵入する様子をカメラがとらえ、スクリーンに映し出す。

 毎年10トンあまりの折り鶴が送られてくるという広島。沖中志帆は、手の動きだけで1000羽分の折り鶴をつくり続ける約32時間の映像作品《Endless 0》(2007)で、見えるものと見えないものには同等の価値があるのかを問いかける。

沖中志帆 Endless 0 2007

 そのほかにも小沢剛は、福島県立美術館で設営した《あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き》で、子どもたちが描いた「自分の好きな人」を模写したものを展示。久保俊寛の作品からは、1970年にイラクで半年滞在した際、カメラを使えない現地で民衆や町並みを目に焼き付けて描いたスケッチを見ることができる。

久保俊寛 イラクでのスケッチ 1970

編集部

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