伝統的な「自在置物」の技術を継承し、虫や甲殻類といった生物をモチーフに金属工芸を制作してきた満田晴穂の展覧会「JIZAI 満田晴穂展」が、日本橋三越本店の美術工芸サロンで開催される。会期は7月22日〜28日。
満田晴穂は1980年鳥取県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科彫金研究室を修了後、横浜市を中心に活動。江戸時代の甲冑師を初めとした武具職人の技術をルーツとする金属工芸「自在置物」の継承者として、その卓越した技術が評価されてきた。
近年では「驚異の超絶技巧!―明治工芸から現代アートへ―」(2017、三井記念美術館)で紹介されるなど明治工芸と対比されることも多く、2017年には「平成28年度日本文化藝術奨学金」において「第8回創造する伝統賞」を受賞している。
今回の個展で満田は、最近2年間で制作された25点を発表する。蝶やクワガタのような子供から大人まで人気を集めるものから、アブやゲジのような複雑な造形技術がうかがえるものまで、鋭い観察眼によりつくられた、幅広いモチーフの作品が一同に会する。