「谷川俊太郎展」が熊本市現代美術館で開催。音楽家・小山田圭吾とのコラボレーションも

熊本市現代美術館で「谷川俊太郎展」が開催される。本展は2018年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された展覧会をベースに、新たな展示内容を加えて再構成するもの。会期は6月27日〜9月6日。

谷川俊太郎 撮影=深堀瑞穂

 1952年に詩集『二十億年の孤独』で鮮烈なデビューを果たして以来、瑞々しい言葉で多くの人を魅了してきた詩人・谷川俊太郎。その大規模な個展が、熊本市現代美術館で開催される。会期は6月27日~9月6日。

 実生活の喜びや痛みから詩を紡ぎ出してきた谷川。60年以上にわたる仕事は多岐におよび、詩作のみならず、『鉄腕アトム』の主題歌や市川崑監督の映画『東京オリンピック』の脚本、そして武満徹など日本を代表する音楽家との協働でも知られている。

「谷川俊太郎展」(東京オペラシティアートギャラリー、2018)での展示風景 撮影=木奥惠三

 本展は、2018年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された個展をベースに、熊本会場ならではのアレンジと新たな展示内容を加えて再構成するもの。谷川の詩「自己紹介」(2007)を起点に資料や交流関係、親しんできた音楽、コレクションなどを紹介し、詩人の創作の背景に光を当てる。

 注目したいのは、小山田圭吾(コーネリアス)の音楽と、インターフェイスデザイナー・中村勇吾による「詩の空間」。谷川の声を交えた音と映像のコラージュで、名作絵本『ことばあそびうた』で知られる詩「かっぱ」など、言葉に内在するリズムを体験することができる。

「谷川俊太郎展」(東京オペラシティアートギャラリー、2018)での展示風景 撮影=木奥惠三
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 また「自己紹介」の展示室では、20行からなる詩に沿って、20のテーマごとに谷川にまつわる物事を紹介。谷川が影響を受けた音楽や家族写真、大切な人たちとの書簡、ラジオのコレクション、知られざる仕事などが、選りすぐりの詩作品とともに展示される。

 そのほかにも本展では、書き下ろしの新作の詩や、美術館の空間を用いた遊び心あふれる仕掛けも展開。谷川の膨大な仕事を振り返りつつ、その現在進行形に触れる機会となる。

「谷川俊太郎展」(東京オペラシティアートギャラリー、2018)での展示風景 撮影=木奥惠三

編集部

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