2020.2.1

ラリック展から窓展まで。今週末に見たい展覧会ベスト3

今週スタートした展覧会と閉幕間近の展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。

「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」展示風景より
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アール・デコの館でラリックを見る。「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」(東京都庭園美術館)

展示風景より、花瓶《バッカスの巫女》(1927)

 ガラスを素材としたエレガントな作品の数々で、アール・デコの時代を切り開いたルネ・ラリック。その作品群を、アーツ・デコの館として知られる東京都庭園美術館で見られる機会が、2月1日開幕の「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」だ。

 本展では、世界屈指のガラス・コレクションを有する北澤美術館所蔵のルネ・ラリック作品より、名品約220点をピックアップ。正面玄関ガラスレリーフ扉など、ラリックの作品が内部を飾る東京都庭園美術館の「アール・デコの館」旧朝香宮邸を舞台に、数々の名作が紹介される。なお新館の展示デザインは、建築家・永山祐子が手がけており、本館とは異なる空間に注目したい。

会期:2020年2月1日~4月7日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(3月27日、28日、4月3日、4日は夜間開館のため〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:2月12日、26日、3月11日、25日
料金:一般 1100円 / 大学生 880円 / 中学・高校生・65歳以上 550円

夭折の画家、過去最大の回顧展。「生誕120年・没後100年 関根正二展」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)

関根正二 信仰の悲しみ 1918 大原美術館蔵 重要文化財

 大正時代に活動し、20歳と2ヶ月の若さでこの世を去った画家・関根正二(1899〜1919)。その過去最大規模の個展が、2月1日に開幕した。

 関根は1899年福島県生まれ、9歳で上京し深川に居を移す。15歳のとき、後に浮世絵師として名を馳せる幼馴染の伊東深水の紹介で印刷会社に勤務。その後オスカー・ワイルドなどの画家に影響を受け、16歳で描いた《死を思ふ日》でデビューを果たす。

 本展では、関根がわずか5年の活動期間のなかで制作した油彩画、水彩素描など約100点を展示するほか、関根が手がけた『文章世界』『太陽』などの雑誌挿絵や書簡の数々も公開。また、二科展で関根の理解者であった有島生馬や同展のライバルと目された東郷青児など、影響関係にあった作家たちとの交流も紐解く。

会期:[前期]2020年2月1日~2月16日、[後期]2020年2月18日~3月22日
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
電話:0467-22-5000
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(2月24日は開館)
料金:一般 700円 / 20歳未満・学生 550円 / 65歳以上 350円 / 高校生 100円

ジャンルを横断して「窓」を見つめる。「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」(東京国立近代美術館)

藤本壮介《窓に住む家/窓のない家》(2019)の展示風景

 「窓学」総合監修・五十嵐太郎による学術協力と東京国立近代美術館キュレーションのもと開催されている「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」が2月2日に閉幕する。

 本展は、窓をアカデミックに探究する「窓学」の10年以上の研究蓄積に基づき、豊かで奥深い「窓」の魅力を紹介。アンリ・マティスやパウル・クレーの絵画、マルセル・デュシャン、ゲルハルト・リヒター、ヴォルフガング・ティルマンスの現代美術、ル・コルビュジエやルイス・カーン、ジェームズ・スターリング、ピーター・アイゼンマンなど建築家が描いた貴重な窓のドローイングなど110点余点が展示される。なお、東京国立近代美術館での会期終了後は、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2020年7月11日〜9月27日)へ巡回予定。

会期:2019年11月1日〜2020年2月2日
会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土 〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1200円 / 大学生 700円 / 高校生以下無料