美術家の村上隆と、父の福壽郎(ふくじゅろう)、そして弟であり日本画家の裕二による3人展「バカな家族の狂詩曲(ラプソディ):村上福壽郎、隆、裕二」が、東京・南麻布のカイカイキキギャラリーで開催される。
本展は、今秋完成した福壽郎の作品集『村上福壽郎 グッドタイミングクラブ』(Kaikai Kiki)の出版記念展。本書は、2012年の福壽郎の個展で発表された作品と、新たに自宅から見つかった未完を含む作品、計約900点を収録している。
今年85歳となる福壽郎は、戦後日本を生き、バブル経済とその崩壊を経験。時代に翻弄され、長年タクシー運転手として働きながら、趣味で創作を続けてきた。その作品は、虫や恐竜などのシルエットを厚紙で切り抜き、日曜大工用のペンキで着色するという独自性の強いものだ。
長男の隆は、現代美術家として世界各地の美術館で個展を開催するほか、映画やアニメーション制作、展覧会のキュレーションも行うなど、現代美術の世界を代表する存在として知られる。
次男の裕二も日本画家として、近年はウルトラマンや仮面ライダーのをモチーフとした作品を発。97年、99年と日本美術院展で日本美術院賞(大観賞)を受賞するなど、作品の評価も高い。そんな3人の初となる親子展はどのような化学反応を起こすのか? 注目が集まる。