みずみずしく淀みない絵画世界。一貫して風景画を描き続ける津上みゆきの個展が長崎県美術館で開催

国内外で活躍する画家・津上みゆきの個展「View ― 人の風景」が、長崎県美術館で開催される。本展では、2018年度に朝日新聞紙面で連載された朝井まかてによる小説『グッドバイ』の挿画制作を機に長崎に取材したシリーズの原画全54点に加え、江戸時代より続く秋の大祭「長崎くんち」の風景を描いた2枚1組の横幅6メートルにおよぶ大作などを、スケッチとともに見ることができる。会期は8月3日~10月9日。

津上みゆき View, the passage of time, Nakashimagawa River, 1:10pm 8 Oct 18 / 2019(2枚1組 右側) 2019 撮影=三嶋一路

 津上みゆきは1973年東京生まれの画家。1998年に京都造形芸術大学大学院芸術研究科を修了した。2005年、大原美術館によるアーティスト・レジデンス・プログラム「ARKO」第1回の招聘作家として岡山県倉敷市で滞在制作を行った。

 13年には五島記念文化賞美術新人賞を受賞し、これを機に五島記念文化財団研修員としてイギリスに留学。15年より文化庁新進芸術家海外研修制度を利用して、ドイツで滞在制作に取り組んだ。

 一貫して、様々な場所に足を運ぶなかで出会った風景をスケッチし、これをもとに「View」と冠した風景画を描いてきた津上。一連の作品群は、土地それぞれの自然や風土にまつわる記憶と経験を内包し、独自の淀みない絵画世界を提示している。眺めや風景だけでなく、見方や観点といった広義を意識した表現は高く評価され、これまで国内外の美術館やギャラリーで数多くの展示を行ってきた。

 津上は、18年度に朝日新聞紙面で連載された朝井まかてによる小説『グッドバイ』の挿画制作を機に、長崎に取材した連作に着手。今回、長崎県美術館で開催される津上の個展「View ― 人の風景」では、同シリーズの原画全54点に加え、江戸時代より続く秋の大祭「長崎くんち」の風景を描いた2枚1組の横幅6メートルにおよぶ大作をはじめとする多数のタブローがスケッチとともに展示される。

編集部

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