東京都写真美術館で「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像」展が開催。1970年代から現在までの実験的な映像作品に注目
東京都写真美術館で展覧会「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」が開催される。本展ではポーランドにおける1970年代以降の美術を、女性作家と映像表現のあり方にフォーカスして紹介。会期は8月14日〜10月14日。
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東京都写真美術館で、ポーランドの女性作家と映像表現のあり方に焦点を当てた展覧会「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」が開催される。
これまで数多くの男性の名によって語られてきた20世紀ポーランドの美術・映画映像史。しかしベルリンの壁崩壊やEU加盟を経た21世紀のポーランドでは、とくに映像表現の領域で女性作家が存在感を放っている。本展は先駆者としての女性作家による表現を再検証し、時代背景を踏まえて新たな視点で読み解こうとするものだ。
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本展は、1970~80年代の先駆的な映像実験からスタート。共産主義政権のもとビデオカメラを使う機会が限られていた当時は、フィルムを使った実験が多く試みられた。この章ではポーランドで活動する研究者のマリカ・クジミチを共同キュレーターとして招き、近年のリサーチの成果を紹介する。
その後民主化を果たした1990年代のポーランドでは、格差の広がりや価値観の変化といった背景のなかで、社会批評的な「クリティカル・アート」の潮流が顕著となる。会場では、自身が男性のプロボクサーを相手に戦う様子を収めたズザンナ・ヤニンや、「ジャガイモの皮を剥く」作業を美術館という公的空間で行ったユリタ・ヴイチクによる作品などを見ることができる。
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また本展では、昨年の「第11回恵比寿映像祭」にも参加したカロリナ・ブレグワや、「ミス・コンテスト」への参加そのものをパフォーマンスとして行い、移民問題に関わる自らのステイトメントを広めることを試みるヤナ・ショスタクなど、現在活躍するアーティストによる作品も紹介。
冷戦下の共産圏を生きた世代から、現代を生きるデジタル世代までを取り上げる本展。ポーランドの時代背景とともに、実験精神に満ちた女性たちの実践をたどることができるだろう。
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