2019.7.4

ブリューゲル作品を細部まで見る。六本木ヒルズでブリューゲル没後450周年記念イベント「見たことがないブリューゲル~巨大3スクリーンによる映像の奇跡~」が開催

16世紀のフランドル(現ベルギー)を代表する画家、ピーテル・ブリューゲル1世。その没後450年に当たる今年、六本木ヒルズでブリューゲル作品の細部に迫るイベントが開催される。

ベルギー王立美術館「ブリューゲルの間」の様子 © Royal Museums of Fine Arts of Belgium, Brussels:Bruegel Box /
Photo by Olivier Anbergen-I Love Light

 幻想的な世界を描いたヒエロニムス・ボスに影響を受けた版画の下絵師としてキャリアをスタートさせ、いまなお幅広い人気を得ている16世紀のフランドル(現ベルギー)を代表する画家、ピーテル・ブリューゲル1世(1525〜1569)。没後450年に当たる今年、その作品の細部に迫るイベント「見たことがないブリューゲル~巨大3スクリーンによる映像の奇跡~」が、六本木ヒルズで開催される。

 2017年には「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』」展が開催されたことで記憶に新しいブリューゲル1世。その作品は、画面のいたるところに民家や農家、作業小屋などがあり、様々な人々と家畜や動物が描かれる群衆構図として知られており、肉眼では詳細まで観察することが難しい。

 そのモチーフの細かさにフォーカスしたのが、今回のイベントだ。会場には巨大なスクリーンが設置され、スーパー解像度(Gigapixel)で3つの作品、《反逆天使の転落》(1562)、《ネーデルランドの諺》(1559)、《洗礼者ヨハネの説教》(1566)を紹介。この映像は、 2016年にベルギー王立美術館「ブリューゲルの間」で公開されたもので、ブリューゲルによって丁寧に描かれた群衆一人ひとりの表情や、持ち物や道具などを観察することができるという。

 なおアカデミーヒルズでは、本展監修・企画の明治大学名誉教授・森洋子によるセミナー「デジタル技術が寄与した新次元のブリューゲルの魅力」と、展示「書籍で知るブリューゲルの世界」を開催するほか、六本木ヒルズアリーナでは連携イベント「ベルギービールウィークエンド」も実施。ブリューゲルの作品《農民の婚宴》(1566-67)に登場すると言われる「ランビックビール」を販売する。六本木でブリューゲルの世界に没入するひとときを体験してみてはいかがだろうか。