ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で銀獅子賞を受賞。ベルギーの建築家ユニット、アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユーの展覧会が開催

昨年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で銀獅子賞を受賞したベルギーの建築家ユニット、アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユーによる日本初の展覧会「ヴァリエテ/アーキテクチャー/ディザイア」が、TOTOギャラリー・間で開催される。会期は9月13日〜11月24日。

アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー ©Filip Dujardin

 アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー(以下、ADVVT)は、ヤン・デ・ヴィルダー、インゲ・ヴィンク、ヨー・タユーの3人によって、2010年にベルギー・ゲントで結成。明快な理論と豊かな感性が結びついた作品で知られ、現在はベルギーやスイスの大学で教鞭を執る。

 ADVVTは昨年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で、代表作のひとつである《カリタス》(2016)を発表。同作は、取り壊しが進んでいた19世紀の精神科病棟の改修プロジェクト。医師や療法士、患者とのディスカッションを重ねながら時間をかけて建築と向き合う態度が高く評価され、銀獅子賞を受賞した。

アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー カリタス ベルギー、メッレ 2016

 そんなADVVTによる日本初の展覧会「ヴァリエテ/アーキテクチャー/ディザイア」が、東京・南青山のTOTOギャラリー・間で開催される。

 教育も設計活動の重要な一部ととらえるADVVT。本展では、今年の春に東京工業大学で実施したワークショップの成果を発表する。ワークショップでは、ADVVTが設計したベルギー・フランダース地方の11の住宅のコンセプトを学生が再解釈し、それらが日本に持ち込まれたとき、設計にどのような変化が起こるかを考察した。

アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー バレエ団 C de la B と音楽劇場 LOD ベルギー、ゲント 2008

 本展では、ワークショップで制作した模型やドローイングを交え、与えられた条件を柔軟な発想でポジティブに転換するADVVTの作品を紹介。加えて会場では、様々な写真家が撮影したADVVT作品の写真がループ再生され、鑑賞者をさらに深い洞察へと誘う。

 なお本展の開催にあわせ、会期初日にはADVVTによる講演会が実施。その建築の真髄をより深く理解する、またとない機会となっている。

編集部

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