公共空間/私空間を横断する親密性を探る。オランダ出身の若手アーティスト、ヴィンセント・ライタスの個展を駒込倉庫でチェック

現在、東京藝術大学の博士課程に在籍するオランダ出身のアーティスト、ヴィンセント・ライタスの個展「Breathing IN/EX-terior 呼吸する内/外」が駒込倉庫で開催されている。これまで「美学としてのインティマシー(親密性)」という観点を軸に作品を発表してきたライタスは今回、空間を活かしたインスタレーションを展開。会期は5月12日まで。

ヴィンセント・ライタス Dynamics of Mass Connectivity 2019

 ヴィンセント・ライタスは1988年オランダ生まれ。ユトレヒト美術大学、多摩美術大学を経て、現在は東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻の博士課程に在籍中。国内外で作品を発表し、昨年12月にはアキバタマビ21で開催のグループ展「Radical Observers」に参加した。

 そんなライタスの個展「Breathing IN/EX-terior 呼吸する内/外」が、駒込倉庫で開催されている。ゲストキュレーターは東京藝術大学学大学院国際芸術創造研究科に在籍する黒沢聖覇が、監修は同専攻教授の長谷川祐子がそれぞれ務めた。

ヴィンセント・ライタス Breathing IN/EX-terior 2019

 「美学としてのインティマシー(親密性)」という観点を軸に、自身の内的な情動空間を建築的にモデル化する作品を手がけるライタス。これまで、テクノロジーを通して触覚性をデザインすることで、自己の内面と外的な空間を横断する親密性を模索してきた。

 本展では、作家の呼吸音と同期して動く大きな布によるインスタレーション《Breathing IN/EX-terior》(2019)や、作家自身の私的な記憶を「風」のリズムに翻訳し、鑑賞者が実際にその風を感じることのできる《Wind Memoir(風の回想録)》(2019)など、新作4点を展示。空間を最大限に活かしつつ、随所に「インティマシー(親密性)」への端緒をしのばせる作品群を、この機会に体験してみたい。

編集部

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