水木塁が新作個展「東下り」を開催。スケートボーディングを通して見る都市のシステムとは?

京都府出身のアーティスト・水木塁の新作個展「東下り」が、東京・文京区のWAITINGROOMで開催される。会期は5月11日~6月9日。

水木塁 タイトル未定 2018 パネルにデッキテープ、道路用塗料、チューイングガム、その他

 水木塁は1983年京都府生まれのアーティスト。2006年に京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻を卒業後、16年に同大学大学院美術研究科博士後期課程を修了した。現在も京都を拠点に活動を行っている。

 これまでスケートボーダーとしての身体感覚をもとに、都市と身体との関わりについて作品を制作してきた水木。その制作スタイルは、スケートボードの表面に貼るデッキテープや道路用の塗料を使用して絵を描いたり、湾曲したアルミ板に写真を焼き付けたり、つぶしたスニーカーの箱に油性ペンで描くなど、きわめて自由度の高いものだ。スケートボーディングを通して見る都市のシステムを、同化と異化を繰り返しながら探求する水木は、写真や平面、立体といった既存の表現方法を解体/再編した作品をつくり上げている。

新作イメージ
水木塁 宙返り鳩-たくさんの中心点を持つ円運動のドローイング 2019
スニーカーの箱に油性ペン、スワロフスキー

 近年は、「C’s」(RMIT PROJECT SPACE、メルボルン、2017)、個展「鏡と穴-彫刻と写真の界面 vol.3 水木塁」(gallery αM、東京、2017)、「都市のモザイク」(ARTZONE、京都、2018)と連続的に個展を開催。そのほか、ドイツや中国でのグループ展にも参加するなど、精力的に活動を行っている。

 そんな水木の新作個展「東下り」が、東京都文京区のWAITINGROOMで開催される。本展では、水木の制作拠点である京都とWAITINGROOMの拠点である東京の地理関係、また自身の制作プロセスとも類似することから由来する『伊勢物語』の第九段「東下り」をタイトルに用いた作品群を見ることができる。

「鏡と穴-彫刻と写真の界面 vol.3 水木塁」展示風景(gallery αM、東京、2017)

編集部

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