持塚三樹は、1974年静岡県生まれの画家。99年に常葉学園短期大学美術デザイン科(菊川校舎)を修了し、現在も静岡県を拠点に活動を行っている。
2012年から13年にかけて静岡のヴァンジ彫刻庭園美術館、16年にはシカゴのシェーン・キャンベルギャラリーで個展を開催してきた持塚。加えて、「絵画の在りか」(東京オペラシティーアートギャラリー、2014)や、「生命の樹」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、2017)といった話題のグループ展にも参加するなど、精力的に活動を行っている。
実験的な試みを何度も繰り返すなかで、直感的な表現ではなく、抽象的なアイデアとして作品を完成させるところにたどり着いた持塚。見慣れた日常の中の何かを変容させて描くことを続け、迷いのない表現を確立させた。
現在、東京・大塚のMISAKO & ROSENで開催されている個展「Haze」では、新しい表現を試みた形跡を残し、絵画の成り立ちを示した新作を見ることができる。変形キャンバスをはじめとする、それぞれ異なる組み合わせを用いた素材やタッチによって、鑑賞者は、制作過程を追わざるをえない視点にとらわれるだろう。