ボナールから村上隆まで、今週末に見たい3つの展覧会

12月17日までに終了する展覧会と今週始まった展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介。この機会をお見逃しなく。

「バブルラップ」展のイメージビジュアル Photo by Tomohiko Tagawa

絵画に取り憑かれた画家。「ピエール・ボナール展」(国立新美術館)

会場風景より《ボート遊び》(1907)

 「日本かぶれのナビ」「色彩の魔術師」の異名でも知られる画家、ピエール・ボナール。その、日本では37年ぶりとなる大回顧展が国立新美術館で12月17日まで開催中だ。

 パリのオルセー美術館の特別協力を得て、ボナールの作品を油彩からポスター、屏風まで132点で概観する本展では、日本美術からの影響をたどる作品群をはじめ、ボナール絵画の代名詞である「浴室の裸婦」シリーズや室内画など、多種多様な作品を通覧することができる。

会期:2018年9月26日〜12月17日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火 
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料

 

「神性」を掘り下げる。「バールティ・ケールDjinns, things, places」(ペロタン東京)

展示風景 Photo by Kei Okano

 1969 年ロンドン生まれ、現在インド・ニューデリーを拠点に活動しているバールティ・ケール。その日本初個展「Djinns, things, places」(精霊、モノ、場所)が、六本木のペロタン東京で12月15日まで開催されている。

 ケールは本展を通して、自身の作品と共鳴するシンボル「ビンディ」と鏡の取り合わせといったモチーフについて説き、ひいては「修復」という概念へと高めることを試みる。インドにおいて恐れられると同時に称賛され、しばし見過ごされがちな独特の「神性」についてより一層深く掘り下げている。

会期:2018年11月14日~12月15日
会場:ペロタン東京
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
電話番号:03-6721-0687
開館時間:11:00〜19:00
休館日:日、月、祝

 

村上隆のキュレーション展。「バブルラップ」(熊本市現代美術館)

展覧会イメージビジュアル Photo by Tomohiko Tagawa

 最後に紹介するのは、今週スタートしたばかりの村上隆のコレクションとキュレーションによる展覧会。本展の正式名称は、「バブルラップ 『もの派』があって、その後のアートムーブメントはいきなり『スーパーフラット』になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を『バブルラップ』って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコレクションを展示したりして考察します。」。

 バブル経済期を中心とするアートムーブメントに主たる視線を注ぐとともに、1990年以降の「失われた20年」の日本の陶芸芸術をあわせて俯瞰することで、戦後の現代美術を新しい視点で解釈することを試みるものだ。

会期:2018年12月15日~2019年3月3日
会場:熊本市現代美術館 ギャラリーⅠ、Ⅱ
住所:熊本県熊本市中央区上通町2-3
電話番号:096-278-7500
開館時間:10:00〜20:00(※入場は閉館30分前まで)
休館日:火、年末年始(12月29日~2019年1月3日)
料金:一般 1000円 / シニア 800円 / 学生(高校生以上) 500円 / 小・中学生 無料

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