デュシャンから廃墟の美術史まで、今週末に見たい3つの展覧会

12月9日までに終了する展覧会とスタートしたばかりの展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介。この機会をお見逃しなく。

会場風景。中央は《自転車の車輪》(レプリカ 1964/オリジナル 1913)

廃墟・遺跡・都市。「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」(渋谷区立松濤美術館)

元田久治 Foresight: Shibuya Center Town 2017

 17世紀の西洋古典から現代日本まで描き継がれてきた、廃墟という画題。本展では、17〜18世紀に廃墟の絵画で名を馳せたシャルル・コルネリス・ド・ホーホをはじめ、生涯をかけて廃墟という主題を追い求める画家たちが登場。また、アンリ・ルソー、ルネ・マグリット、ポール・デルヴォーなど、誰もが知る画家の描く廃墟にスポットを当てる。

 また、江戸時代後期、ローマの古代遺跡が数多く登場するなど、珍妙な世界が展開された浮世絵や銅版画、そして現代、大岩オスカールや、同館の位置する渋谷に想像上の廃墟を重ね合わせる絵画を描く元田久治らの作品も紹介する。

会期:2018年12月8日~2019年1月31日
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
電話番号:03-3465-9421
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月(祝日の場合は火)、12月29日~1月3日
料金:一般500円 / 大学生400円 / 高校生・60歳以上250円 / 小・中学生100円

 

デュシャンの足跡をたどる。「マルセル・デュシャンと日本美術」(東京国立博物館)

会場入り口に展示された《自転車の車輪》(レプリカ 1964/オリジナル 1913)

 「現代美術の父」と称される芸術家であり、20世紀の美術に衝撃を与え、その後の現代美術史の礎となったマルセル・デュシャン。その足跡をたどり、さらには日本美術を比べるという展覧会が12月9日まで開催中だ。

 本展では、デュシャンの名を一躍アメリカに知らしめた《階段を降りる裸体No.2》やR.MUTTのサインを書き記した男性用小便器《泉》、通称「大ガラス」として知られる《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》など数多くの代表作が一堂に揃う。

会期:2018年10月2日~12月9日
会場:東京国立博物館 平成館 特別展示室第1室・第2室
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般1200円 / 大学生900円 / 高校生700円 / 中学生以下無料

 

機能性と美の共存。「インゲヤード・ローマン展」(東京国立近代美術館工芸館)

花瓶 2003年、2004年、2009年 オレフォス Photo by Anna Danielsson/Nationalmuseum Stockholm

 1943年スウェーデン・ストックホルム生まれのガラス・陶器デザイナー、インゲヤード・ローマンの幅広い活動を本格的に紹介する日本で初めての展覧会。機能性を重視した日常づかいのガラス食器や陶器は、色もかたちもきわめてシンプルだが、そのなかに凛とした美しさと、ひとりの使い手としての真摯な視点が感じられる。

 北欧建築家グループ「クラーソンコイヴィストルーネ(Claesson Koivisto Rune)」が展示デザインを手掛けた本展では、北欧の伝統あるガラスメーカー「スクルフ」や「オレフォス」のデザインのほか、「イケア」とのコラボレーションによる作品まで、ローマンの初期から最新作までを一挙に通覧できる。

会期:2018年9月14日〜12月9日
会場:東京国立近代美術館工芸館
住所:東京都千代田区北の丸公園1-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00
休館日:月
料金:一般250円 / 大学生130円 / 高校生以下、18歳未満、65歳以上無料

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