思わぬ驚きを体験する研究所/休憩所としての展覧会。山城大督の個展「センサリー・メディア・ラボラトリー」をチェック

美術家・映像作家で、アーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)の一員としても活動する山城大督の個展が京都造形芸術大学 芸術館で開催中だ。大学附属ミュージアムのコレクションの可能性を見出す試みでもある本展の会期は11月22日~12月24日。

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 山城大督は1983年大阪府生まれ。 映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応用し、その場でしか体験できない「時間」を作品として展開してきた。これまでのおもな作品に、広島の住宅街を舞台に50人の少年少女が同時間帯に自宅のピアノを演奏するコンサート《Time flows to everyone at the same time.》(2010)や、名古屋の港まちで住民や環境と27個の約束をする《Fly Me To The TIME.》(2017)がある。

 2013年には1年間にわたって映像表現を再考するプロジェクト「東京映像芸術実験室」を主宰し、企画内で制作発表したインスタレーション作品《VIDERE DECK / イデア・デッキ》が第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品を受賞。 これまで参加したおもなグループ展に「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館)などがある。また2006年よりアーティスト・コレクティブ「NadegataInstant Party」を結成し、全国各地で作品を発表してきた。

山城大督

 今回の個展「センサリー・メディア・ラボラトリー」は、京都造形芸術大学芸術館と、同館が所蔵する縄文土器、シルクロードの工芸品、浮世絵といった品々、そしてアーティストのさらなる可能性を見出すために企画されたものだ。

 山城は会期中、見ることや聴くこと、触ること、匂いや味わいといった感覚を通して、思わぬ驚きを体験する研究所/休憩所=「Sensory Media Laboratory」として芸術館を開放。 土偶、土器の断片、古い工芸品といった品々を巻き込み、寄り添いながら、来館者の知覚に新たな方位を与える。

 また12月21日にはパーカッショニスト、コンポーザーとして活動する角銅真実のイベント「Sensory Media Laboratory LIVE vol.01『山に音』」も開催。こちらもチェックしてほしい。

編集部

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