山城大督は1983年大阪府生まれ。 映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応用し、その場でしか体験できない「時間」を作品として展開してきた。これまでのおもな作品に、広島の住宅街を舞台に50人の少年少女が同時間帯に自宅のピアノを演奏するコンサート《Time flows to everyone at the same time.》(2010)や、名古屋の港まちで住民や環境と27個の約束をする《Fly Me To The TIME.》(2017)がある。
2013年には1年間にわたって映像表現を再考するプロジェクト「東京映像芸術実験室」を主宰し、企画内で制作発表したインスタレーション作品《VIDERE DECK / イデア・デッキ》が第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品を受賞。 これまで参加したおもなグループ展に「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館)などがある。また2006年よりアーティスト・コレクティブ「NadegataInstant Party」を結成し、全国各地で作品を発表してきた。
今回の個展「センサリー・メディア・ラボラトリー」は、京都造形芸術大学芸術館と、同館が所蔵する縄文土器、シルクロードの工芸品、浮世絵といった品々、そしてアーティストのさらなる可能性を見出すために企画されたものだ。
山城は会期中、見ることや聴くこと、触ること、匂いや味わいといった感覚を通して、思わぬ驚きを体験する研究所/休憩所=「Sensory Media Laboratory」として芸術館を開放。 土偶、土器の断片、古い工芸品といった品々を巻き込み、寄り添いながら、来館者の知覚に新たな方位を与える。
また12月21日にはパーカッショニスト、コンポーザーとして活動する角銅真実のイベント「Sensory Media Laboratory LIVE vol.01『山に音』」も開催。こちらもチェックしてほしい。