1968年、鳥取にひとつの前衛芸術家集団が生まれた。その名はスペース・プラン。谷口俊(1929~)、フナイタケヒコ(1942~)、山田健朗(1941~)らによって結成され、ある檄文からその活動は始まる。
美術家だけでなく、プロダクトデザイナー、作曲家、建築家なども参加したスペース・プラン。流動的にメンバーを変えながら、13回の展覧会を行った。その活動は、単純な色と形に還元された立体物に代表されるミニマリズムとして特徴づけられる。
彼らは市民会館や画廊で作品を発表するいっぽう、鳥取市の各地で野外展を積極的に試みた。とくに第2回展では、鳥取砂丘にミニマリズムの作品を配置した壮大なスケールの展示を実現。地元のメディア等では注目を集めたものの、全国的に広く紹介されることはなかった。
本展では、そんなスペース・プランの記録写真や映像、印刷物を中心に展示。ミニマリズムという現代美術の出発点ともいえる形式が、鳥取というローカルな地域でどのように展開されたのか。60~70年代の鳥取の文化状況を踏まえながら、具体美術協会による野外展、宇部や須磨の野外彫刻展など歴史的文脈のなかで、その活動を検証していく。
また、関連イベントとしてスペース・プランの中心メンバーによる座談会のほか、椹木野衣、黒瀬陽平、本展企画者の筒井宏樹による連続トークイベントも開催予定だ。