現在、名古屋市美術館の「郷土の美術」コーナーでは、「名古屋のパフォーマンス-追悼岩田信市と岸本清子」と題して、名古屋を代表する2人の芸術家の作品を紹介している。
岩田信市(1935〜2017)は、1960年代に名古屋で活動したパフォーマンス集団「ゼロ次元」の中心的なメンバーでありながら、画家としても活動。79年にはロック歌舞伎で知られる「スーパー一座」を立ち上げ、30年にわたり演出家としても活躍した。また、岸本清子(1939〜1988)も、岩田と同様に、60年代に東京で起こった前衛芸術運動「ネオ・ダダ」に参加し、名古屋で活動したパフォーマーや画家としてその名を知られている。
この2人の芸術家は、ともに名古屋に縁があるというだけでなく、互いに独自の視点で当時の社会を見つめ、前衛的な活動を展開しながらも「絵画」というアカデミックなメディアに挑戦し続けた点でも共通している。
今回、名古屋市美術館で現在開催中の常設展にあわせて、2日間限定の特別上映会が実施される。6月23日は岩田が制作した映像作品、24日には岸本が出演する出光真子監督の映像作品をはじめ、日本のビデオアート界を切り開いてきた女性作家たちの作品が上映予定。また、両日ともに愛知県美術館および名古屋市美術館の学芸員による解説も予定されている。
名古屋に愛された2人の芸術家の世界観を映像で体感できる機会。常設展とあわせてチェックしたい。