八木良太が個展で新作を発表。
「MUSIC FOR LAZY SUSAN」と題された透明のオブジェが示すものとは

美術家・八木良太の個展「MUSIC FOR LAZY SUSAN」が、東京・清澄白河の無人島プロダクションで開催される。会期は9月8日〜10月6日。

八木良太 Music for Lazy Susan

 八木良太は1980年愛媛県生まれの美術家。2003年に京都造形芸術大学芸術学部空間演出デザイン学科を卒業した。10年からは半年間にわたって、ACC(Asian Cultural Council)の助成によりニューヨークに滞在。その後12年に京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻の博士(後期)課程を単位取得満期退学し、現在も京都を拠点に活動を行っている。

 これまで東京・清澄白河の無人島プロダクションでは8回の個展を行ってきたほか、近年では、金沢21世紀美術館での展覧会『われらの時代 ポスト工業化社会の美術』(2015)にも参加するなど、精力的な活動を見せている八木。13年には「第1回京都版画トリエンナーレ」優秀賞、15年に「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 六甲ミーツ・アート大賞」グランプリ、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」主催者特別賞を受賞するなど高い評価を受けている。なおその作品は、東京都現代美術館、横浜美術館、サンフランシスコ近代美術館などに所蔵されている。

 八木の制作の基盤となっているのは、「見たいものしか見ない/聞きたいことしか聞かない」といった人々の自主制限的な知覚システムあるいは態度に対する批判的思考。既製品を用いた構成によって人間が持つ知覚を利用する八木の工学的な作品は、音響、オブジェ、映像、インスタレーション、インタラクティブ・アートなど幅広く表現される。

 今回、無人島プロダクションで開催される個展「MUSIC FOR LAZY SUSAN」は、同ギャラリーでは2年ぶりとなる新作個展。レーザー光と3Dクリスタルを用いた音響作品を中心に、光と音、知覚と次元など、これまで八木が取り組んできたテーマの延長線上にある新作が発表される。

編集部

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