広島県尾道市の離島・百島(ももしま)で、閉校となった旧中学校舎を拠点とした「ART BASE 百島」。同所は、アーティスト・柳幸典と恊働者の活動を通して、離島の創造的な再生を試みるアートセンターだ。
その「ART BASE 百島」が、47年間空き家となっていた廃屋を再生し、作品とともに宿泊ができる「乙 1731–GOEMON HOUSE」をこのたびオープンする。
「乙 1731–GOEMON HOUSE」の見どころは、2011年の東日本大震災をはじめ、ライフラインが切断された災害時でも入浴や炊出しに有用であることが証明された五右衛門風呂だ。
そして、特大サイズの五右衛門風呂が設置された「乙 1731–GOEMON HOUSE」で、銃や大砲、金属廃材を素材とした過激な作品を手がけてきた榎と、個展「Wandering Position」(BankART1929、横浜、2016)やシドニー・ビエンナーレ(2018)など国内外で大がかりなプロジェクトを展開している柳幸典。加えて、島内で建築業を行いながら柳とともに百島の未来を模索し、「乙 1731–GOEMON HOUSE」を改修した職人集団「百島工房」がコラボレーション展示を行う。
宿泊施設として運用開始予定の2019年夏に先駆けて行われる本展。展示を通して現代のエネルギー大量消費と脆弱性を再考し、「生活=芸術」のかたちを思索する、生存のための戦いの場となることが目指されている。
なお、10月6日の12:30よりオープニングイベントを予定。特大の五右衛門風呂のかまど開きを行い入浴できるほか、島民のつくる食事も楽しめる。そして開催を祝い、榎忠の大砲「Liberty」が祝砲を撃つ。