野村和弘は1958年高知県生まれの美術家。83年に東京芸術大学美術学部油画専攻を卒業後、88年に同大学美術学部油画後期博士課程を満期退学。その後ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生として渡独し、90年にデュッセルドルフ美術アカデミーにて修士号を取得した。
近年は「春を待ちながら —やがて色づく景色をもとめて」(十和田市現代美術館、2015)、「六本木クロッシング 2016 僕の身体あなたの声」(森美術館、2016)などのグループ展に参加したほか、2017年には「イヤリングと葡萄」(void+、南青山)、「女性靴とボタン」(Gallery 21yo-j、等々力)と連続して個展を開催するなど、精力的に活動している。
今回開催される「ドット ペインティング」展は、展覧会タイトルの通り、視覚を試されるような微細なドットによって描かれた絵画が展示される。厳密なルールのもとで制作されたという絵画は、ドットの位置により無数のバリエーションを持つユニークなもの。
野村にとって、絵画作品のみに絞った展覧会は久しぶり。「ドット ペインティング」のみで展開されるミニマルな空間を楽しみたい。