1983年生まれ、ニューヨーク在住のオースティン・リーはデジタルを駆使した絵画作品で知られている。近年は、上海のBANK、パリのNew Galerie、ニューヨークのPostmasters Galleryで個展を開催した。
リーは作品制作において、まずiPadを使ってデジタル・スケッチをする。それをスクリーンに投影しながらエアブラシと蛍光塗料を用いて全体の構造をキャンバスへと移し、バーチャルなイメージが実体のある作品へとつくり直されていく。作品に登場する戯画化された人物たちは、絵画空間のイリュージョンのなかで表現されており、さらにそれらを3Dプリントしたスキャンにテクスチャーを与え、彩色することによって、造形的な実体を与えている。
直近の展覧会「Pretty Pictures」「Light Paintings」と関連させ、それらの反対の意味である「Serious Works」を個展タイトルにつけたというリー。本展では、タイトルとは裏腹に冗談めかして描いたような絵画作品を展示する。