ストリートの光景とレイヨグラフの融合、現実と非現実の間。
原田直宏の写真展が六本木で開催

東京を中心に活動をしている写真家・原田直宏の個展「三つ目の部屋へ」が東京・六本木の禅フォトギャラリーで6月22日~ 7月14日の会期で開催。写真におけるふたつの技法を混ぜ合わせながら、ひとつの架空の物語を編み上げる制作スタイルを取った作品が展示される。

原田直宏

 原田直宏は1982年東京生まれ。2010年に早稲田大学芸術学校空間映像科卒業後、11年に新宿と大阪のニコンサロンで初の個展「泳ぐ身体」を開催。その後も14年に横浜・BankART Studio NYKにて開催された「Group exhibition vol.2 HAKKA」に参加したほか、同年、東京・六本木の禅フォトギャラリーで個展「泳ぐ身体」を開催。16年には東京・渋谷の東塔堂で「REMIXING GROUND 混在する都市 ヨハネスブルグ×東京」(Andile Buka と共同企画展)に参加するなど、勢力的に活動を行っている。

 そんな原田の個展「三つ目の部屋へ」が禅フォトギャラリーで開催される。

原田直宏

 本展では「ストリートフォトグラフ」と、印画紙に直接光を焼付ける「レイヨグラフ」のふたつの技法を融合させて制作した作品を展示。ストリートの光景と、光の抽象画ともいえるレイヨグラフを混ぜ合わせることで、現代の人々の意識が現実と非現実の狭間で複雑に揺らぎながら存在している様相を表している。

原田直宏

 人間の内側に潜む意識にフォーカスし、その曖昧で揺らぎやすい明滅を、色彩際立つカラー写真作品として制作したという原田。人が生きるなかで、本質的に関わり続ける「身体を動かす-意識する-無意識になる」という非物質的な力の繋がりを、誰もが日常で身に纏い、目に見えないひとつの物語として所有していることを示唆している。

 一連の写真群を物語として読み解いていくことができる形式をとっているという本展。古典的な写真技法を用いて印画紙に焼き付けたという、デジタルではつくり出せないその表現を楽しみたい。

編集部

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