「ブラジル先住民の椅子」に
動物の豊かなかたちを視る
東京都庭園美術館の企画展。
会場構成は伊東豊雄が担当

東京都庭園美術館で「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」展が開催される。本展は、ベイ・コレクションからブラジル先住民の椅子約90点を取り上げ、その独特の造形から人間の豊かな想像力の発露を読み取ろうとするもの。なお会場構成は建築家・伊東豊雄が担当。会期は6月30日〜9月17日。

制作者未詳(アスリニ・ドゥ・シングー) 椅子  ⓒ BEĨ collection Photo by Andreas Heininger

 南米大陸、ブラジル北部のアマゾン川やシングー川流域で暮らす先住民の人々がつくる椅子に焦点を当てた「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」展が開催される。機能的かつ野生動物から抽出したようなフォルムに独特の幾何学模様が施された椅子は、まるでユニークな造形作品だ。

 もともと、ブラジル先住民にとって「椅子」は、シャーマンによる儀式や結婚式などの特別な機会に用いるなど、生活や伝統、独自の神話と色濃く結びついており、コミュニティ内において文化的・社会的なシンボルとされてきた。今日においては、コミュニティの外とのつながりからも刺激を受け、自然にとらえる眼にアイデンティティを求め、さらに豊かで自由な表現が生み出されている。

カマリ作(クイクロ) ホウカンチョウ ⓒ BEĨ collection Photo by Raphael Costa

 本展は、ブラジル・サンパウロに拠点を持つ美術・建築関連の出版社「ベイ出版社」が持つ、300点を超える「ベイ・コレクション」の中から選りすぐりの椅子約90点を展示。建築家・伊東豊雄が手がける会場構成とともに、ブラジル先住民独自の感性から生まれた造形から、人間の豊かな想像力の発露を読み取ることを試みる。

制作者不詳(カラジャ) 椅子 ⓒ BEĨ collection Photo by Raphael Costa

 

編集部

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