1958年、東京に生まれた千住博は、82年に東京藝術大学を卒業後、84年に同大学院修士課程を修了。87年に東京藝術大学大学院博士課程を単位取得満期退学。数々の展覧会を重ねながら、95年には第46回ヴェネチア・ビエンナーレに参加し、《The Fall》で東洋人として初の名誉賞受賞した。現在では絵画のみならず、羽田空港やJR博多駅等のアートディレクション、数々の舞台美術も手掛けている。
岩絵の具という素材や、自然と密接に関わっている日本画の理念を踏襲しながら、世界的視野に立ち、今日にあるべき「美」を追求している千住。2015年には、高野山金剛峯寺開創1200年を記念して、大主殿の「茶の間」と「囲炉裏の間」に新作の襖絵を奉納することが決定した。
本展では千住博の画業40余年の集大成と位置付け、世界遺産・高野山金剛峯寺に奉納する襖絵44面が世界で初めて公開する。
加えて、2018年に還暦を迎えた千住博のこれまでの主要作品も展示。世界を見据え、日本画の新しい可能性を模索してきた、千住博作品の世界観を紹介する。