テーマは「交通」。
時空間に新たな回路を開通させる
鈴木ヒラクの個展が開催

「書く」と「描く」の間を主題に、平面や彫刻、パフォーマンスなど様々な表現に取り組んでいる鈴木ヒラクの最新作が展示される個展が、東京・代官山のアートフロントギャラリーで開催される。会期は2018年4月27日から5月27日。

鈴木ヒラク Constellation #19 2017 アーツ前橋蔵 撮影=神宮巨樹

 鈴木ヒラクは1978年宮城県仙台市生まれ。2001年に武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業、08年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了後、国内での活動に留まらずシドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなど世界各地で滞在制作を行ってきた。

 鈴木は「絵」と「言葉」、「描く」と「書く」の間を主題に、平面・壁画・パフォーマンス・映像・彫刻など多岐にわたる制作を展開。光を反射する素材を主に用いながら、時間と空間におけるドローイングの可能性を探求し続けている。16年からは、ドローイングの新しい実践と研究のためのプラットフォーム「Drawing Tube」を主宰し、18年より東京芸術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス非常勤講師を務めている。

 様々な分野のアーティストとのコラボレーションも多く手がけており、テニスコーツやShing02、スガダイローといった音楽家や吉増剛造などの詩人、今福龍太ら文化人類学者らと開催してきたライブパフォーマンスをはじめ、アニエス・ベーやコム・デ・ギャルソンといったファッションブランドにも協力するなど、国内外の多方面で活動をしている。

 そんな活躍目覚ましい鈴木ヒラクの個展が、2018年4月27日から東京・代官山のアートフロントギャラリーで開催される。

鈴木ヒラク Constellation #16 紙にシルバーインクと墨汁、アルミニウムマウント 2017 ©Hiraku Suzuki

 本展のテーマは「交通」。17年の芸術祭「いちはらアート×ミックス」で発表した《道路》の続きとして、キャンバスやパネルという単位ではなく、より空間的な作品として時空間に新たな回路を開通させることを探求するという。また、鈴木が近年取り組んでいる、黒い背景にシルバーで無数の点と線を描いた宇宙のような印象を感じさせるドローイングシリーズ《Constellation》の新作を含む約4点も展示予定。

 ドローイングの可能性を模索し続けている鈴木の、新たな挑戦の始まりとなる展覧会だ。

編集部

Exhibition Ranking