パルコが主催する、「若手女子クリエイターの、表現作品の発表の場を提供する」ことを目的としたカルチャーイベント「シブカル祭(まつり)。」は、渋谷パルコを拠点として2011年からスタートした。過去7年で美術、ファッション、音楽、パフォーマンスなど、様々なジャンルから1000名以上の女性クリエイターが参加し、多彩な表現を提示してきた本イベントが、2018年5月18日〜29日に香港で開催することが決定した。
13年にはシンガポールで「HELLO, SHIBUYA TOKYO」として、15年にはバンコクで「シブカル祭。」を実施しており、香港での「シブカル祭。」は3回目の海外開催となる。
日本政府観光局(JNTO)統計による香港の海外訪問者数ランキングでは、台湾やタイなど観光人気国を抑え日本が1位(223万人/2017年)となっており、そのうち、訪日経験回数2回以上が8割以上を占めるほど、日本旅行は香港でトレンドとなっている。また、パルコ全店の海外売上国別シェアの中でも香港の売上は上位に位置しており、同社は香港を重要なマーケットとして注目しているという。
パルコは、多様な人種やカルチャーが混在する国際都市・香港で、同じく多様なカルチャーが生まれる渋谷発のイベント「シブカル祭。」を実施することにより、パルコの香港マーケットでの認知拡大と、日本の女性クリエイターのパワーを世界に発信ができると期待を込めている。
会場は、香港・ソーホーにあるクリエイティブ施設「PMQ」の1Fイベントスペース。ここは香港の若手クリエイターやアーティストを応援し、作品の展示や販売などがおこなわれる施設で、中にはファッションや雑貨を扱うショップ、カフェやレストラン、クリエイターのアトリエ兼ショップなど100以上のテナントが出店しているという注目のエリアだ。もともとは既婚者用警察宿舎(Police Married Quater)だったものを、「香港のクリエイティブ産業を牽引するハブ」になる施設として香港政府がリノベーションしたという。
参加作家は、絵画の発表やライブペインティングなどを行う愛☆まどんな、愛やジェンダー、個人史と社会を主なテーマに、映像メディアを用いて作品制作をしているUMMMI.のほか、アートユニットのキュンチョメ、布造形作品を制作している塩見友梨奈、写真作品の制作や広告ビジュアルのアートディレクションを手がけるTakako Noel、体や物にリアルなペイントをする作品で知られるチョーヒカル/趙 燁、コラージュやイラストを中心に、幅広い手法を用いて作品を制作するとんだ林蘭の7組。彼女たちが香港という場でどのような作品を発表するのか注目が集まる。
なお、現在休業中の渋谷パルコは2019年秋にグランドオープン予定。こちらも楽しみに待ちたい。