ライアン・マッギンレーの原点。『The Kids Are All Right』の写真やZINEが集まる展覧会が開催

被写体の自由と若さ、倦怠と感受性を鮮やかにとらえ、世界中で脚光を浴びる写真家のひとり、ライアン・マッギンレーによる日本で2年ぶりとなる個展が小山登美夫ギャラリーで開催される。会期は4月6日〜5月19日。

ライアン・マッギンレー The Kiss 2000 / 2016 © Ryan McGinley

 どこか危うさを持つ被写体の、自由と若さの喜びが溢れ出す瞬間や、倦怠と感受性を鮮やかに深くとらえてきたライアン・マッギンレーは、1990年代後半に写真撮影をスタート。

 アメリカ同時多発テロの影響下にある時代にマッギンレーは、アーティスト仲間、グラフィティ・ライターなどのクリエイター、そして大胆に、自由奔放に、退廃的に、快楽主義的に生きている自分の姿を色鮮やかに力強く写真に収めた。そして、2001年に発行した初の作品集『The Kids Are All Right』で才能を見出され、2003年ホイットニー美術館において史上最年少の25歳で個展を開催。以来友人との大陸横断旅行で撮影した「Road trip」、洞窟や鍾乳洞の幻想的な空間での人物を撮影した「Moonmilk」など、壮大な風景の中のモデルたちの予測不能な動きを切り取ったシリーズを手がけてきた。

 本展では、最初期の作品集『The Kids Are All Right』に掲載された作品約10点とポラロイド作品、活動初期に使用していたカメラ、制作したZINEなどもあわせて展示。

 ニューヨークでの刺激的な人々の交流、生活を切り取った光景はソーシャルメディアやインターネットの到来や、プライベートとパブリックが混在するデジタル社会を予感させるものになっている。

編集部

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