「Interdisciplinary Art(多分野にまたがる美術作品)」の観点を起点に2009年にスタートした「Interdisciplinary Art Festival Tokyo(以下、IAFT)」は、実験的で先鋭的な表現を紹介し、アートシーンを活性化することを目的とした団体・フェスティバル。そのIAFTが今年、「Transparent Nets(見えない枠組み)」をテーマに現代美術のフェスティバルを開催する。
日本からの参加作家は、1960年代にオノ・ヨーコ、赤瀬川原平、小杉武久、土方巽ら前衛芸術家の協力のもとで前衛映画を制作、実験的な映像作品を手がけてきた飯村隆彦。映像、写真、絵画、インスタレーション、パフォーマンスなど多岐に渡る表現を用いて、恋愛、結婚、出産、子育てなど自らの実体験とリアリティのある視点に基づく美術作品を制作する岡田裕子。人間・性愛・宗教といった概念を暴発的なエフェクトで彩る作品を発表、フェスティバルの総合ディレクターを務める韓成南のほか、二名良日、西山修平。
韓国、台湾、マレーシアからは、パフォーマンス行為として映画というメディアを用い、エッセイのようなナレーションをベースとした映像を制作するリオル・シャムリッツ。家族との思い出をベースに、ビデオアート、実験映画、パフォーマンスなどを通して生まれ育った村でのヘテロトピア的な経験を探求するイン・リーチ。サウンドアート作品を手がけるほか、レーベルの主宰、企画も行うゴー・リー・クァンのほか、イ・ヨンジュ、ヨ・イニョン、リオル・シャムリッツ、ツァイ・ウェイティン、リン・ウェイルン、マレーシアからはアイシャ・ビンティ・バハラディンが参加する。
本フェスティバルでは、半廃墟や公的空間を使ったサイトスペシフィックな作品を、来場者のみにアナウンスされる展示エリアを含めた4会場で展示。社会・政治・自然・性などをテーマとした作品が、私たちの社会における見えない枠組みを浮き彫りにする。