横湯久美は1966年千葉県生まれ。「死者の声は本当にもう聴けないのか」や「生き残った者は死者や過去とどのように付き合うのか」などを思索し、写真とテキストで探ってきた。
本展では、第一次世界大戦の年に生まれ、第二次世界大戦を弾圧のなか生き残った祖母による話を、怖さや残酷さも含んだ、20世紀の民話のようにたどっていく《爆弾か 黒雪ダルマ 雪ダルマ / Are They Bombs? Or Snowmen, Black or White》やその祖母が生けた花と花瓶を手がかりに制作した《花瓶の話 / The Story Of The Base》など、祖母の生涯に思いを巡らせた4つの過去作品シリーズを展示。
さらに、100年前に始まった第一次世界大戦について、その発端となるサラエボ事件に用いられた小さなピストルと、ポケットに収まるホッチキスから探る新作《世界大戦と私のホッチキス / My Stapler On The World War》を展示。過去作品とあわせて、各シリーズの相互関係から新たな表現をつくりだすことを試みる。