「アルス・エレクトロニカ賞」グランプリ受賞作品も。赤松音呂の個展がミヅマアートギャラリーで開催

日常的に意識されないひそかなリズムを主題に制作、発表を続ける赤松音呂がミヅマアートギャラリーで個展を開催する。「アルス・エレクトロニカ賞」のグランプリ受賞作品も含む2作品を発表する。会期は2018年4月4日〜28日。

赤松音呂 チョウズマキ 2017 水、ガラス容器、磁石、プラスチック、ディバイス、コントローラー Photo: AKAMATSU Nelo © AKAMATSU Nelo

 赤松音呂は、デバイスを用いたインスタレーションやパフォーマンス、ビデオ、立体、絵画など様々な表現を通して、ふだんの生活上で意識に留めないひそかに脈打つリズムを掬い上げ、制作、発表を続けてきた。2015年にオーストリアで開催されたメディア・アートのコンペティション「アルス・エレクトロニカ賞」ではグランプリとなる「ゴールド・ニカ賞」を受賞するなど、国内外で注目を集めている。

 本展では、近年発表を続けている2点のサウンドインスタレーション、《チョウズマキ》と《チジキンクツ》を紹介する。《チョウズマキ》はガラス器を満たす水の中に入れた磁石の回転によって渦巻きを発生させ、器に取り付けたホーン状の管を通して、その音を増幅させる作品。自然界のあらゆる場所に潜む「渦巻き」と、茶事の際に手を洗い身を清める「手水鉢の水」からイメージされた本作品は、茶室の外と内のように日常と非日常の2つの世界を想起させる。

 「ゴールド・ニカ賞」受賞作品の《チジキンクツ》は「地磁気」と「水琴窟」を組み合わせて名付けられた。水が注がれたコップに浮かぶ磁化された縫い針は、磁場に吸い寄せられるように動き、微細な音をたてる。どちらの作品も、本来人間が意識していないリズムを可視化することにより、新たな世界を垣間見させる作品となっている。

編集部

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