複製とオリジナルの価値を問う。
山本隆博「-Aging painting-」

時間や経験は「同じもの」を「別のもの」へ変化させるか。オリジナルと複製が持つ価値を問い直す山本隆博の個展「-Aging painting-」が開催される。会期は2018年2月13日~2月21日。

山本隆博 Reincarnation(Philippe de Champaigne) パネルに油彩 25.4x25.4cm

 山本隆博はこれまで、複製技術やそれをとりまく状況をテーマに絵画作品などを制作してきた。「Re:view」シリーズでは、オリジナルと複製の識別の難しさを示し、「Where the artificial stops and the real starts」シリーズでは、オリジナリティという言葉の脆弱性を提示。複製品は製造された瞬間には同等・同質であっても、時間の経過によって色褪せ、損傷し、それぞれがオリジナルになりうると考える作家は、今回 「-Aging painting-」を開催する。

山本隆博 Reincarnation(Pieter Claests) パネルに油彩 25.0×25.0cm

 同じモチーフの作品を、時間の変化によって描き分けることで「瞬間性」を切り取り、時間の変化が同一のものを別のものへ変えてしまうという発想をもとに「-Aging painting-」シリーズを発表する山本。クロード・モネの連作から着想し、写真を忠実に再現した絵画を意図的に劣化を施す「-Aging painting-」シリーズには、複製がオリジナルと同じ価値を持ちうるのではないか、という問いが込められている。

編集部

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