「幻の作家」岡上淑子の全貌に迫る。高知県立美術館で回顧展が開催
洋雑誌を用いて幻想的で優雅なコラージュ作品をつくり出した岡上淑子。国内現存分を展観する回顧展が作家ゆかりの高知県立美術館で開催される。会期は2018年1月20日~3月25日。
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1950~56年のわずか7年ほどの間に約140点のコラージュ作品を制作し、美術界から姿を消した岡上淑子(おかのうえ・としこ)。幻の作家と言われる岡上の回顧展が、出生地である高知・高知県立美術館で開催される。
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岡上は1928年高知市生まれ。50年に文化学院デザイン科に入学し、この頃から洋雑誌の写真を用いたコラージュ作品の制作を始める。美術評論家・瀧口修造によって見い出され、複数の展覧会に出品するなど活動したが、結婚を機に美術界から姿を消す。長らくその存在は忘れられたままだったが、96年および2000年に行われた個展で“再発見”され、15年には初画集が刊行となるなど、注目を集めている。
本展は約7年間で制作された140点あまりの作品のうち、高知県立美術館所蔵の34点をはじめ、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、栃木県立美術館などが所蔵する、国内現存分を初めて一堂に展観。制作のヒントとなった関連資料もあわせて紹介するほか、コラージュをもとに後年制作されたシルクスクリーンプリントとプラチナプリントを作家の新たな試みとして紹介し、作家としてだけでなく岡上の人物像にも迫る内容となる。