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バウハウス100周年で「バウハウス100ジャパンプロジェクト」が発足。巡回展や研究などを展開

1919年、ドイツ・ワイマールで創立された教育機関「バウハウス」。このバウハウスが2019年に100周年を迎えるのにあわせ、「バウハウス100ジャパンプロジェクト」が日本全国およびウェブサイト上で展開される。

バウハウス・デッサウ校舎 撮影=柳川智之(2015年)

 伝説的な教育機関「バウハウス」が2019年、その創設から100周年を迎える。これを記念し、日本各地で関連するイベントが行われることとなった。

 バウハウスは、初代校長の建築家ヴァルター・グロピウスを中心に、ワシリー・カンディンスキーやパウル・クレー、モホイ=ナジといったキラ星のごとき教授陣が名を連ねた教育機関。学校自体はナチスによる圧力によって1933年に幕を閉じたが、わずか14年間という短期間の活動にもかかわらず、その影響力はいまなお大きい。

 このバウハウス創設100周年にあわせ、ここ日本では「バウハウス100周年委員会」が発足。2020年までの3年間に、「バウハウス100ジャパン」と題したプロジェクトを展開する。

「バウハウス100ジャパン」ロゴ

 「バウハウス100ジャパン」は、大きく「巡回展」「星座」「研究」の3つの柱で構成。「体験」をキーワードにバウハウスに触れ、再考する機会を創出する。

 「巡回展」では、「バウハウス100」(仮称)と題した展覧会を新潟市美術館を皮切りに、西宮市大谷記念美術館、高松市美術館、静岡県立美術館、東京ステーションギャラリーの全5会場で開催。バウハウスの学校としての機能に着目し、授業を実際に体験する要素を取り入れて展示の柱にするとともに、「色とかたち」「アートとテクノロジー(1923)」「アートとメディア」といったテーマを設定し、バウハウスを読み解いていく。また、水谷武彦、山脇巌・道子、大野玉枝の4人の日本人留学生を取り上げる、初の機会ともなる。

ヨースト・シュミット バウハウス展のポスター 1923 ミサワホーム蔵

 2番目の「星座」では、上記の巡回展以外に日本中で開催されるバウハウス関連の展覧会や講演会、ワークショップ、セミナー、そして現在も製造販売されているバウハウス製品などを散らばる「星」ととらえ、オンラインで包括的に紹介する。

 これに加え、「研究」では日本でのバウハウス研究を総括。幾つもの領域に分かれ、専門分化している研究を整理する予定だという。また、国内に多数所蔵されているバウハウス関連作品(クレーなどの絵画含む)のデータベース創設なども視野に入れていてる。

 「バウハウス100ジャパン」のロゴマークをデザインしたのは、デザイナーでNOSIGNER主宰の太刀川英輔。2月9日にゲーテ・インスティチュート(東京・赤坂)で行われたキュレーターの深川雅文とのスペシャルトークでは、バウハウスについて「僕のキャリアは建築から始まっていますが、建築デザインにとってバウハウスはアイコニック。すべての学生が必ず習うものです。バウハウスは現代のデザインを語る上で欠かせない存在。自分はそのデザインの系譜の中で、どこにいるのかを意識している」とコメント。

太刀川英輔

 ロゴは丸、三角、四角というバウハウスの基本的アイコンを取り入れたデザインとなっており、金属を削り出したような3つの円柱と円錐で構成。平面だけでなく、金属プレートなど3次元でも展開され、数多くの関連プロジェクトをつなげる役割を担う。

編集部

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