ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775〜1851)はイギリスを代表する風景画の巨匠。穏やかな田園風景、嵐の海、そびえ立つ山岳など、自然の様々な表情を描き、フランスの印象派をはじめとする多くの芸術家に影響を与えた。
本展では、日本初出品となるターナーの名作を多数含む、水彩、油彩、版画作品約120点が並ぶ。イギリス美術研究第一人者クリストファー・ベーカーによる展示構成で、ターナーの画業を紹介する。
展示は「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」という4章で構成。「ピクチャレスク(=絵になる)」と「サブライム(=崇高)」といった当時のイギリス美術を象徴する概念を示す作品や、島国イギリスとは切り離せない海を扱った作品、イギリスの文化的模範であったイタリアや古代文明をテーマとした作品など、多様な表現から、ターナーの核心と魅力に迫る。