3. 「黒」をパレットから追放
印象派の絵をじっと見ていると、それまでの時代の絵と比べると格段に明るく感じることがありますが、その理由のひとつとして、彼らが「黒」を使わなくなったことが挙げられます。モネやルノワールら印象派の画家たちは、自然界に純粋な「黒」は存在しないとして、それまで陰影を表現するために伝統的に使っていた「黒」をパレットから追放してしまいました。
アトリエ舟の船体部分の暗い色彩や、それらが水面に反映された陰影部分の色彩に注目。「黒」以外の色彩で表現されています。実際、本展でも純粋な「黒」が使われている作品はほぼありません。
そこで鑑賞ポイントとなるのが、従来まで「黒」で表現されていた陰影部分が、「黒」以外のどのような色で表現されているのか?という点です。恐らく、どの作品でも暗くなっている部分は、「黒」ではなく、深緑、紫、藍、焦げ茶色など、様々な色彩を組み合わせて表現されています。