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西野亮廣と淀川テクニックがやんばるで共演。「やんばるアートフェスティバル2017-2018」が開催

2018年1月8日まで、沖縄県北部「山原(やんばる)」で初めてのアートフェスティバル「やんばるアートフェスティバル2017-2018」が開催中。今回が地域芸術祭に初参加となる西野亮廣は、美術家・淀川テクニックとともに、著書『えんとつ町のプペル』主人公のゴミ人間・プペルを制作した。

文=小林沙友里

地域芸術祭初参加の西野亮廣(左)と、参加アーティストの淀川テクニック(右)

原生の地・やんばるに展開される、 現代美術と伝統工芸の芸術祭

 「山原(やんばる)」とは、沖縄本島北部地域の呼び名。亜熱帯の森が広がり、ヤンバルクイナなどの野生動物が生息するこのエリアで、初の芸術祭「やんばるアートフェスティバル 2017-2018」が開催されている。テーマは「未来に運ぶね、アートの種 ミライにはこぶね、アートの種」。メイン会場の大宜味村(おおぎみそん)立旧塩屋小学校を方舟に見立て、島の宝を次世代へ伝えていく。エキシビション部門はキュンチョメ、高木正勝、椿昇、照屋勇賢ら現代美術作家29組が参加。クラフト部門には、琉球びんがたや木工、陶器、琉球ガラスなどの作家ら21組が集った。

キュンチョメが本芸術祭で出品する新作のイメージ図
沖縄・大宜味村で制作活動を続ける田村窯の作品

 お笑い芸人、そして絵本作家として活躍する西野亮廣は、今回が地域芸術祭に初参加となる。やんばるには、以前、森を舞台にした絵本『オルゴールワールド』(幻冬舎、2012)制作のリサーチで訪れ、島の北端にあるパワースポット・大石林山をモデルに、そこで見た植物などを描き込んだ。今回は絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬舎、2016)の主人公であるゴミ人間・プペルを淀川テクニックとコラボレーションして制作した。「えんとつ町は、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる、現代社会の風刺。インターネットが広がるいっぽうで閉塞感があり、揚げ足を取り合うために多くの人が夢を語ることも行動することもしなくなっている。それは見上げる空がない状態だと思って、煙に覆われた世界を描いたんです」と西野は語る。

 やんばるでは近年、主に海外から大量のゴミが漂着して海岸の景観や生態系に影響を及ぼし、深刻な問題となっている。「そこで、やんばるのゴミを使って高さ4メートルのプペル像をつくることにしました。多くの人を巻き込んで、一緒にやりたいですね」。

 ゴミから生まれ、舟で煙を突き破り、他者を明るい空へと導くプペルが、やんばるの地に立ち上がる。

メイン会場の大宜味村立旧塩屋小学校

 (『美術手帖』2018年1月号「INFORMATION」より)

編集部

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