EXHIBITIONS

菊畑茂久馬展

2022.03.19 - 05.08

菊畑茂久馬 天動説 No.116 撮影=マツモトカズオ

菊畑茂久馬 天動説 No.116 撮影=マツモトカズオ

 太宰府天満宮 宝物殿で、戦後日本を代表する画家のひとり・菊畑茂久馬(1935〜2020)の展覧会が開催されている。

 1957(昭和32)年に前衛美術グループ「九州派」に参加し、前衛美術のホープと注目された菊畑は、しかし60年代後半より美術界から遠ざかった。1964(昭和39)年、ルポルタージュ文学作家・上野英信の紹介で筑豊の炭鉱画家・山本作兵衛の作品を知ると、その作品を「美術」として評価した。1970(昭和45)年にはアメリカから返還された戦争記録画について論考を執筆。そして、1983(昭和58)年に絵画作品「天動説」シリーズを発表し、19年ぶりに画壇に復帰した。以降「月光」や「舟歌」などの大作を次々に発表していった。

 生涯にわたり、福岡を拠点に活動を続けた菊畑。2022年の画家の没後、遺族の協力を得て実現した本展では、美しさと激しさを備えた青の絵画を中心に、画家の熱量が感じられる作品を紹介している。

 また本展にあわせて、太宰府天満宮アートコレクションから、菊畑と同世代の中西夏之、アン・トゥルイット、メリル・ワグナーによる作品などを展示している。