EXHIBITIONS

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅰ

日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京

2022.03.19 - 05.08

橋本雅邦 深山猛虎図 1890頃

上島鳳山 「十二ヶ月美人」の内《三月 観桜》 1909 泉屋博古館東京

木島櫻谷 柳桜図(左隻) 1917 泉屋博古館東京

木島櫻谷 柳桜図(右隻) 1917 泉屋博古館東京

 住友コレクションを収蔵する泉屋博古館分館が、2022年3月に「泉屋博古館東京」としてリニューアル・オープン。開館後初の展覧会は「日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京」を開催する。

 住友コレクションは、世界的な青銅器コレクションをはじめ、中国絵画、日本の古画や工芸、西洋絵画に至るまで、幅広いジャンルの美術品を所蔵。その一角を占める近代日本画は、住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(号・春翠)を中心に集められた。

 これらの美術品は、私的な空間で愉しまれてきたとともに、多くは賓客をもてなす調度として邸宅内に飾られていた。いずれの作品も春翠の清淡な好みが貫かれるいっぽうで、財界を主導した住友の風格を備えたコレクションであり、個人を超えて社会的な役割を担ったコレクションと言える。

 住友の日本画コレクションは、座敷飾りを意図した吉祥画や季節のうつろいを感じさせる花鳥画が多い。伝統を意識した格調高い作風がコレクションの基調になっていることは重要な特徴のひとつだが、大阪、京都、東京の三都で活躍した画家の作品からなることも特筆される。

 本展は泉屋博古館東京のリニューアル・オープンを記念して、住友の日本画コレクションの全貌を展観するもの。三都の日本画を擁する住友コレクションを通じて、住友と各地域の画家との交流について紹介するとともに、日本画壇を横断的に眺め、地域に根差した日本画の魅力とその多様性に光を当てる。

 主な出展作家は、安藤廣近、木島櫻谷、高島北海、橋本雅邦、原田西湖、深田直城、山田秋坪ら。