EXHIBITIONS

沖縄復帰50年記念

特別展「琉球」

2022.05.03 - 06.26

国宝 黄色地鳳凰蝙蝠宝尽青海波立波文様紅型綾袷衣裳(きいろじほうおうこうもりたからづくしせいがいはたつなみもんようびんがたあやあわせいしょう)(琉球国王尚家関係資料) 第二尚氏時代・18~19世紀 沖縄・那覇市歴史博物館蔵
展示期間:2022年5月17日~5月29日

国宝 玉冠(付簪)(たまんちゃーぶい[つけたりかんざし])(琉球国王尚家関係資料) 冠は明時代・17世紀 簪は第二尚氏時代・17~18世紀 沖縄・那覇市歴史博物館蔵 展示期間:2022年5月3日~5月15日

蝶形骨製品(ちょうがたこつせいひん) 縄文時代晩期・前1000~前400年 沖縄県読谷村吹出原遺跡出土
沖縄・読谷村教育委員会蔵 画像提供=世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム

那覇市指定文化財 厨子甕(じーしがーみ) 第二尚氏時代・雍正5年(1727) 沖縄・那覇市立壺屋焼物博物館蔵

首里城公園 首里城正殿(2014撮影) 画像提供=一般財団法人 沖縄美ら島財団

 東京国立博物館で特別展「琉球」が開催される。沖縄復帰50年を記念した本展では、古琉球時代の交易の様子を伝える出土品や歴史資料から、琉球王国の伝統的な技を今日に復活させた模造復元作品に至るまで、琉球・沖縄の文化財を過去最大規模で紹介する。

  2022年に復帰50年を迎える沖縄県は、かつて琉球王国として独立した国家だった。明治以降の近代化や先の戦争という困難を乗り越え、現在もその歴史、文化を未来につなげる努力を続けている。本展は、アジアにおける琉球王国の成立、および独自の文化の形成と継承の意義について、琉球・沖縄ゆかりの文化財と復興の歩みからひも解く総合的な展覧会となる。

 出品作は、金銀、水晶など色とりどりの玉で飾られた「玉冠」をはじめ、王族が身につけた格調高い衣裳や刀剣、王国の中枢である首里城を華やかに彩った漆器や陶磁器など。琉球国王、尚家400年の歴史を感じさせる貴重な宝物が一堂に集う。

 会場は、「万国津梁(ばんこくしんりょう) アジアの架け橋」「王権の誇り 外交と文化」「琉球列島の先史文化」「しまの人びとと祈り」「未来へ」の5章で構成。展覧会の締めくくりには、最新の科学分析や研究情報に基づき、沖縄県の失われた文化遺産の模造復元に取り組んできたその成果と、事業に関わってきた人びとの想いを紹介する。

 東京国立博物館は、明治期の沖縄県からの購入品に、その後の寄贈品を加えた日本有数のコレクションを収蔵している。琉球復帰20年を迎えた1992年には、特別展「海上の道」を開催するなど、これまで琉球の歴史と文化に関する研究や展示普及活動に努めてきた。こうした礎のもと、力強く輝き続ける琉球の歴史と文化を過去最大規模で展観する。

 なお本展は東京国立博物館での開催後、九州国立博物館(2022年7月16日~9月4日)へ巡回予定だ。